元暴力団との写真撮影 刑務所系VTuberが持論「都合のいい規制をかけた弊害」

9月8日、登録者数49万人のVTuber「懲役太郎」が、「暴力団との関係」と題した動画を公開しました。懲役太郎は「前科3犯、893番、懲役太郎です」という挨拶で知られる“刑務所系”VTuberで、犯罪やアウトローに関する解説で人気を集めています。

BreakingDownの騒動について

9月5日、格闘技イベント「Breaking Down」に参加している選手であり最高執行責任者（COO）の溝口勇児が、元暴力団員である駒野雅之氏（登録者数2万人）と笑顔で談笑している写真がSNSで公開され、騒動が起こりました。

溝口氏とBreaking Downの運営側は、写真について「単なる記念撮影に応じただけ」とし、関係性を否定しました。また、該当人物が無断で関係者専用の出入口から侵入したと説明し、出入り禁止処分を下したことを明かしました。溝口氏は、コンプライアンスチェックや入場管理体制の不備について謝罪しています。

懲役太郎は、8日に投稿した動画の中で、この騒動に言及し、「暴力団との関係」というテーマを深掘りしました。

暴力団員の判別は困難

問題となった人物が現在も暴力団員であるかは不明ですが、懲役太郎によれば、現役かどうかを判別するのは非常に難しいとのことです。

元暴力団員が社会的制裁を受けるかどうかは、「元暴5年条項」と呼ばれる規定によって、暴力団を辞めた時点から5年間は反社会的勢力として扱われるかどうかが問題となります。しかし、懲役太郎は、暴力団を辞めた証拠として使われる破門状や絶縁状、除籍状などは、反社会的勢力が発行したものであるため、その信頼性に矛盾があると指摘しています。懲役太郎はこの点について「脆弱な制度だ」とコメントしています。

また、懲役太郎は、彼自身がイベントに呼ばれた際に、書類の確認なしで楽屋や関係者エリアに入ることもあると述べ、Breaking Downの騒動についても、「これだけで癒着があると言うのはどうかと思う」とし、「騒ぎすぎではないか」との見解を示しました。反社会勢力の定義が曖昧なまま警察が都合の良い規制を行っていることが、今回の騒動に繋がっているとも指摘しています。

さらに、反社会勢力の形態は変化しており、定義することが難しくなっているとも述べています。懲役太郎は、元警察官であっても暴力団に関する専門知識がなければ判断が難しく、組によって組織形態が異なるため、企業のコンプライアンス担当者やアドバイザーが正確に判断するのは困難だと語りました。

コメント欄では「線引きが難しい」という声や、「反社会勢力の存在を法律で禁止しない一方で、関係を持った民間企業や個人を厳しく追及するのは矛盾している」といった意見が寄せられています。